【コラム】真の世界1とは何?クラクラにおける評価基準から考えてみる
2019/03/24

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(このページは2019年3月23日に更新されました)
「プレイヤーの実力は何でわかる?」
「クラン対戦勝利数が世界1とはどういう事?」
この記事はそんな方へ向けて書いています
こんにちは。ada( ada_coc ) です。プレイヤーがゲームで腕を競う時に、いろいろな評価の基準がある。
俺すげーぜっ!俺たちサイコーっ!
どやりたい時に、一つの基準があるから相手より自分たちの優秀さを自慢に思ったり嬉しくなったりする。
対戦ゲームには必要不可欠な要素だし、だからこそのめり込むゲームデザインが必要になる。
RTS(リアルタイムストラテジー)であるクラッシュオブクランでも、幾つかの評価基準が用いられている。そんな中の一つの評価基準「クラン対戦勝利数で世界1」になった日本クランが誕生した。
賛否両論が噴出した出来事だけど、これってなんでだろう?世界1なのに?
僕は純粋にすごい事だと思っているけど、それは世界1という事にではない。その理由と、クラクラのゲームシステムとしての評価基準を考えてみた。
評価基準:プレイスキルを評価する対象となる要素
(どれくらい勝っているか、どれくらいプレイしているか、チームワークの優劣など)
評価指標:評価基準の状態を示す目印
(ランク、ポイント、勝率、K/D=Kill per Deathなど)
評価点:評価指標を計測するための点数や記号
(○点、優良可など)
今回、評価基準を考える上で、謎部えむさんの記事を参考にさせていただいた。対戦ゲームはいかにプレイヤーをチヤホヤしているか――プレイスキル評価のための方法と思想と限界
ゲームシステムとプレイスキルを考える上で、面白い内容となっているのでオススメです。
目次
『クラン対戦勝利数』世界1とは?
先日、日本クランが 対戦勝利数 世界1 に到達!と話題になった。チーム戦であるクラン対戦での勝利数を単純に数えている ”対戦勝利数” で、世界最高数を勝ち取ったというもの。
世界1位はすごい・・・!
それって意味があるの?
界隈は肯定派・否定派で賛否両論が噴出した。世界1の勝利数をつかんだクランのプレイヤーが、過去にチートを使ったことを告白していた事もあり、なおさら様々な意見が溢れ出ている。
僕は、チートに関しては絶対反対だし、ゲームを死なせないためにも厳罰をするべきだと思う。
ここではチートやプレイヤーのことに触れるつもりはない。
クラクラのゲームシステム上の『クラン対戦勝利数』が持つ意味、そして、なぜ賛否両論が噴出しているのかについて考えてみたい。
ゲームシステムとして必須の『実力(プレイスキル)と頑張り』評価
対戦や競争という要素があるゲームに関して、必須となる評価基準。誰かよりも上手い・頑張っているということを、評価されるからこそ、褒められたい・満足したい中枢(快感)を求めてゲームにのめり込んでいくことになる。
クラクラというゲーム内には、個人・クラン(チーム)の優劣をつけるための評価基準がいくつかある。
しかし、どれもが一長一短であり簡単ではないことから、ゲームシステムの難しさが実感できる。
大きくみれば、評価基準には2つの要素がある。
- プレイスキル(ゲームの実力)要素
- 頑張り要素
数字で表せる勝利数や勝率、星数やトロフィーはわかりやすい。しかし、一方では表現が難しい”頑張り”という要素もある。
それでは、クラクラの評価基準がどうなっているか、見てみよう。
(ゲーム内に公開されているデータのみを検討する)
クラクラのゲームルールと評価システム
クラクラには大きく分けると、5つのゲームモードが実装されている。
- 敵の村から資源を奪い村を育てる・ランクを上げるという マルチプレイモード
- チーム(5〜50人)を組んで戦う クラン対戦モード
- 15人で月に一度、8つのクランとリーグ戦をする クラン対戦リーグモード
- ソロプレイでマップを攻略する ゴブリン村モード
- PvPで、対戦相手との優劣を付ける 大工の拠点モード
以前より実装されている “マルチプレイとクラン対戦の評価システム” について見てみよう。
ゲーム内には、個人プレイヤーとチーム(クラン)についての評価が存在する。
ミクロな評価基準
プレイヤーが村を攻撃する際には、次の二つの評価システムによって評価される。攻撃や防御が上手くいったかどうかは、いたってシンプルなものとなっている。
- 星システム
- 破壊率システム
クラクラは、自分が育てたユニットや兵器・呪文を組み合わせて、相手が育てた村(防衛施設など)を破壊するゲーム。
公認リーグWPL の対戦画面より
陸・空のユニットと兵器・呪文の組み合わせは無数にあり、それぞれに特徴のある設定となっている。さらに、攻略する村の防衛施設にも特徴があり、あれこれと考えられた配置や弱点に合わせて編成を組んでプランを練る。
これは、THレベルによっても異なるし、プレイヤーの好みや得意戦術によっても違ってくる。
相手の 村の破壊度によって星が3段階 で与えられるシステムとなっている。
【クラクラの星システム】
:全壊した場合
:TH破壊 & 50%以上の破壊
:TH破壊 or 50%以上の破壊
さらに、細かく何%の破壊をしたかは、破壊率 で表示される。
評価基準:1v1の対戦
評価指標:星の獲得数(最大3)、破壊率
マクロな評価基準について
マルチプレイの評価システム
- クランの評価基準
クランランキング(グローバル・国内) - プレイヤーの評価基準
リーグランキング
プレイヤーランキング(グローバル・国内)
マルチプレイの評価システムは、トロフィー によって決定されている。相手の村とマッチングした際、攻撃に成功する(星一つ以上を獲得:ミクロな評価基準で説明)と、相手のトロフィーを奪うことができる。
トロフィーを失うケースもあり、攻撃に失敗・相手の攻撃が成功した場合は、奪われてしまうことになる。
自分が獲得したトロフィー数によって、ブロンズからレジェンドリーグ(5000以上)にランキングされることになる。
クランのランキングも同様に、所属するメンバーのトロフィー数の合計によって決定されている。それぞれが、グローバル・国内ランキング化されて、ゲーム内で見ることができる。
このランキングシステムは、1ヶ月という期間内にどれくらいトロフィーを上げられるか(トロ上げと言われる)で優劣を競うシステムとなっている。
評価システムとしてのリーグの区分け
プレイヤーのトロフィー数によって所属リーグが決まる
プレイヤーのランキング表示画面
クランのランキング画面、3位まで入るとエメラルドが配布される
単純にトロフィー数をランキング化しているため、THレベルやプレイ時間、使用するユニット、攻撃の成功率、攻撃回数は問題としない。
そのために、純粋なプレイスキルの評価というよりは、プレイ時間の長さ(長時間プレイと攻撃回数が多いことが必須)とオンライン中は攻撃されない(オンラインシールド)仕組みを使ってトロ上げすることで上位にランクインすることも可能となっている。
当初より問題となっているのが 雲問題 といわれるシステム上の欠陥が、なかなか改善せずにユーザーにとっては不満の種となっている。マッチングする対戦相手が少ない(人数上の理由・シールドシステム上の理由)により、数十分から数時間になることもあるほどマッチングが起こらない。
マッチング中は、虫眼鏡が雲の中をぐるぐる回ることから「雲問題」と言われている。
あまりに長時間、雲が表示されるために開発チームが「ナイトモード表示」を実装することを発表したほど。
評価基準:1対1の勝敗、クランの優劣
評価指標:トロフィー数にて一元化、クランのメンバーのトロフィー数の合計
クラン対戦の評価基準は存在しない(リーグ戦では評価システムが存在)
クラン対戦の評価システム
次にチーム戦であるクラン対戦の評価システムをみてみる。クラン対戦は非常に多くのパターンがあるため、統一した評価システムが存在しない。(ゲームリリース7年目にして、やって最強クランを決定するシステムのクラン対戦リーグが登場した)
クラン対戦は、THレベル(TH3〜TH12まで)・参加人数(5〜50人)・対戦頻度(最高3回/W)の様々なクランがマッチング係数に従って決まる対戦相手と勝負をする。
勝敗は、一人2回の攻撃権で、どれだけ多くの星を相手より奪えるかというもの。例えば20人戦であれば、星3つ×20人=星60 が最高の星を奪い合う。一つの村から奪える星は最高3つなので、全壊(星3つ)をとれば、取り損なっている村を攻めて星を積み重ねていくモードになる。
一つの対戦での勝敗を決定するシステムあるが、それがクランの優劣を決定するシステムとしては存在しない。
そこで、ある意味で評価基準として使われているものが、大きくは2つ。
- クラン対戦勝利数
- クランLv(特典)
話題になっているクラン対戦勝利数(単純にどれだけ勝利数があるか)と、クランレベル(対戦によって獲得できる経験値によりレベルが決定)が主だった評価基準となっている。
前述のように、クラン対戦勝利数は勝ち数を表しているために、クランのプレイスキル(実力)を表している様にも思えるが、実はそうはなっていない。
- 5人戦と50人戦のクランの違い
- THレベルが異なる場合
- 対戦頻度の違い
- 対戦相手との実力差など
- 不正行為をしていても勝利数にカウントされている?
クラン対戦が実装してからの勝利数となっているため、純粋にプレイスキル(実力)を表しているとは言えないものとなっている。
つまり、7年を迎えて楽しまれているクラン対戦には、真の実力があるクランはどこかを決める評価システムは存在していなかった。唯一、クラン対戦勝利数は、目に見える数字としてあるものだったため、勝利数レースに挑戦しているクランがいた事は周知の事となっている。
では、その他に真の実力クランを決められなかったかというと、ユーザー自身が公平な対戦環境を整えて、運営するリーグ戦やトーナメントは、世界各国で開催されている。
この流れを踏んで、真の最強クランを決める評価システムとして実装したのが2018年10月に発表された クラン対戦リーグ となっている。
真の最強クランを決定する仕組み『ワールドチャンピオンシップ』
15人戦(2019年4月から30人戦も実装予定)によるリーグ方式で、純粋にプレイスキルのみで勝敗を決定するクラン対戦リーグモード。
同リーグの8クランが総当たりで順位を決定!
最高リーグはチャンピオンリーグ1となっている
2019年になり、リーグモードを使って最強クランを決定するワールドチャンピオンシップの開催が発表された。
2019年3月クラン対戦リーグ top10クランの発表です👑
日本からもWorld Championshipのオフライン予選に出場決定!@BlazeJP3おめでとうございます🎉頑張ってください📣#クラクラ pic.twitter.com/HD2pOVY6lR— クラッシュ・オブ・クラン【公式】 (@ClashofClansJP) 2019年3月15日
2109年3月リーグでTop3入りをした日本クランの blazeJP が、3月末にポーランドで開催されるチャンピオンシップ出場をかけた予選に参戦決定している。
リーグの問題は、ガバガバなマッチング・・・
最強を決める仕組みとしてはいいんだけど、問題だったのは最強以外のクランたち。勝利すると上のリーグへ昇格、負ければ降格という『プレイスキルのみで決定する仕組み』を導入したために、ガバガバなマッチングがあちこち起こっていて不満が噴出している。
完璧なシステムはないために、仕方ない面もあるんだけど。
プレイスキル = ゲームの実力 とは言うけど、実力以前に村のレベル(THレベル)が違いすぎると、虐殺状態になって悲しくなる。TH12とTH10の差になると、ユニットや防衛施設レベルが違いすぎて歯が立たなくなる(一般的なプレイヤーの場合)。
開発チームは、まずは報酬を改善して実力相応の位置に落ち着く様にアップデートする予定だが、根本の問題はどうなるだろうか。
勝利数自体よりは、目に見えない『頑張り』に対するリスペクト
クラン対戦リーグの評価システムであれば、Top10入りするクランであれば名実ともに万人に実力を認められる。(公式が、厳密にチートや不正行為に対する監視の目を光らせている)
しかし、評価システムとして不十分だった「クラン対戦勝利数」は、プレイスキルを評価する基準としては曖昧すぎるものとなってしまっている。もちろん、開発チームもその事を理解していたからこそ、勝利数のランキングは作っていないし、真のチャンピオンを決定するリーグモードを実装した。
では、なぜ、実力を評価するには不十分な「クラン対戦勝利数」世界1を賞賛する人たちがいるのだろう。僕自身も、この結果は賞賛するに値すると思っている。
本当に凄いと思ったのは狂気とも言える程のクラクラ愛
上の画像にも上げたが、僕がいるクランの勝利数は、”284勝”。842勝と比べれば、雲のはるか彼方のような感覚にとらわれる。とてもじゃないけど、届く気配もない。
この数字は、勝利数=実力 を純粋に表現しているわけじゃなことは、これまでの内容で理解してもらえたと思う。
842勝・・・
言ってみれば、狂気と言えるほどのクラクラ愛 だと思う。
休むことなく、対戦相手を攻略しようとクランの仲間とつないできた想いがそこにはあるから、多くの人が賞賛したし驚いたのだと思う。
世界一と言う実力があるのかという話とは別のことだろう。勝利数が表しているものは、それではない。
何が価値のあることかは、個人が決めること
対戦勝利数とは、実力を純粋に表しているものではない。つまり、それに価値があるかどうかは、個人やクランが決めることになる。
あるクランは、価値がないというだろう。あるクランにとってはとてつもない価値があるというだろう。
ワールドチャンピオンシップのように、全てに人やクランにとって最強というものではない。だからと言って否定する気にはなれない。これだけの時間をかけて、勝利を積み重ねてきたことは偉業と呼んでいいと思う。勝利数そのものに現されるものではないのだから。
まとめ
「クラン対戦勝利数」がもつ評価システムについて考えてみた。
プレイスキルを競うなら、現環境ではクラン対戦リーグか既存のリーグにチャレンジすることが必要不可欠だろう。今後、解決されるだろう雲問題でも、真の実力プレイヤーを生み出せるシステムが実装するかもしれない。
僕も含め、多くの賞賛した人たちは、その狂気とも言える部分にしびれたのだと思う。人が惹きつけられる部分は、純粋な上手さというよりも狂気的な魅力なのかもしれない。
今日も楽しいクラクラらいふを。
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★彡 これもクラクラしちゃうはず!
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